大川家具職人塾にてウィンザーチェア「ゴールドスミス」チェアの制作指導始まる!
平成29年度
大川家具職人塾
ウィンザーチェア「ゴールドスミス」チェアが完成
第17回目、18回目
10月14日(土)、15日(日)







カップボードもいよいよ組み立てに入った。




第15回目、16回目
10月7日(土)、8日(日)
今回は大川木工まつりにあわせて第一土、日に開校することになった。
1日に3度のバスツアーに一回20名の方々が職人塾見学に訪れたことになる。大川家具職人塾の過去2年間の作品の公開と300年前のイギリスで作られていたゴールドスミスウィンザーチェアの制作現場の公開は大川、いや日本でも初めてであることに驚きをもって見学いただき塾生達も誇りもって対応していた。ツアーのなかでも関心度の高い見学になったのではないだろうか!


仮組の椅子







桧のテレビボードも順調に進んでいる。
桧の家具も大川家具職人塾が取り組む目玉の一つ
桧の家具はペーパー仕上げでは本当の家具とは言えない。日本の台鉋を使って初めて桧の家具と言える。道具は新しい降ろしたてのうちは道具とは言えない。職人が使いこなして初めて道具となるということを忘れてはならない。そのために職人は一に研ぎ、二に研ぎ三に研ぎするのである。





第13回目、14回目
9月23日(土)、24日(日)
第13回目
9月23日(土)
ゴールドスミスチェアのシートの抉りは座りここちを決定する重要な部分であ
る。再度体験するために楠の盤木から切り出す作業から始めた。


部品の仕上げが全て終わり組み立てに入る準備が整う

脚の差し込み部分はあらかじめ大きめにしたある。

差し込み部分をホゾ穴に合わせてヤスリで調整する。

組み立て仮組





カップボード



第14回目
9月24日(日)
写真撮影に失敗のためデータなし
第11回目、12回目
9月9日(土)、10日(日)
第11回目
9月9日(土)










テレビボード側板鏡板


報告:
9月7日(木)、8日(金)
日本民芸館(ウィンザーチェア)展、東京家具博物館、高島屋に於ける柳宗悦と民芸家具展をめぐって
今回の小旅行で日本には蒐集家などに昔から愛されて来たウィンザーチェアと松本民芸のような歴とした職人集団によって作られてきたウィンザーチェアの二つの潮流があることがわかりました。それにしても本当の英国ウィンザーチェアはごく一部にしか知られていないというのが現実、多少大げさな言い方になりますが、大川商工会議所の勇断によって開校されたこの大川家具職人塾に於いてのゴールドスミスウィンザーチェアの制作体験は本物のウィンザーチェアがいかなるものか?を知る機会として我が国初のものでははないか!と言って過言ではありません。
20年に及ぶ文献と実際に作って見るという英国ウィンザーチェアの形態分析研究の結果、ウィンザーチェアは量産家具として当時のジョイナー(指物師)とターナー(旋盤工)が集まって初めて誕生した量産家具の一つであることが明らかになってきました。その17世紀後半から18世紀初頭にかけて作られたと思われる世界にただ1脚残ったゴールドスミスウィンザーチェアをこの職人塾で追体験するなかで、当時の職人達によって失敗を繰り返しながらこうしたら良い、こうしたらいけないなど相談をしながら作られていったのだろうということが想像できるのです。
2017.09.12
第12回目
9月10日(日)




第9回目、10回目
8月26日(土)、27日(日)
第9回目
8月26日(土)
シートの座面の仕上げにはディスクサンダーを揃えていただいた。



先回からの続きアームのラップジョイント
第10回目
8月27日(日)
側面のアームサポートの取り付けが思っていたよりも手間取った。
脚貫にホゾ穴あけにはボール盤があればOKであるが脚の回転を固定するクレー
ドルという当て木が必要である。

ボール盤脚貫の穴あけ


ひとこと:
8月27日(日)の朝、始業時間前、大川木材市場に立ち寄り社長の江頭弘智氏より朝倉、日田地方を襲った豪雨災害について職人塾塾生にとっても重要な事柄について木材をあきなう立場からのご意見を伺ってきた。なぜあれほどの木材が流木と化したか諸説あるだろうが、やはり針葉樹の根はりが浅いことによるそうだ。針葉樹の根は浅く根はりも広くないが広葉樹は深く広くはることによって真砂土のような土壌でも底の粘土質にまで届く。そのために昔から山などの斜面に植える場合は上部と下部に広葉樹を帯状に植え、その中間に針葉樹林を作るのが常識であったそうだ。また特に強調されていたのは実生という植え方があり、傾斜地など根を深くする必要があるときは「実生(みしょう)」で植えなければならない。実生とは接ぎ木とか苗植えするのではなく、実から植えること、そうすれば多少年月がかかるが15年もすればしっかりと根をはり、むしろ実生の方が早く育つということであった。戦後早く建築材を成長させるためにそれを無視して植栽されたそうだ。おまけに間伐がされないままに放置されたために土壌に日光が射さず、水を保存する機能も低下するなど、多くのことが重なって今回の災害へと繋がったということであった。今回、非常に参考になった話は、有明海を汚されてしまった漁業関係の方々がどういう方策をとったか、それは山をきれいにしようと立ち上がったということであった。東北地方など海を汚された漁業の方々が山を保全することで海がよみがえったという話を聞いたり読んだりするが、我々木を加工する立場にある塾生諸君が参考にすべきことがらが沢山ある話であった。
参照:北部九州豪雨災害に思う
第7回目、8回目
7月22日(土)、23日(日)
第7回目
7月22日(土)




























第5回目、6回目
7月8日(土)、9日(日)
第5回目7月8日(土)
4回目の続き、臼堀チョウナによるシートの座刳り、
1日中座刳りで終わる
第5回、6回目を前に脚4本と貫3本をそれぞれ4人分FDY工房にて旋盤加工しました。








第3回目、4回目
6月24日(土)、25日(日)
第3回目6月24日(土)

臼堀チョウナとモッタの練習用に盤木を加工
新人には鉋がけの練習になる

臼堀チョウナの練習


シートの裏面のボブテール部分の面取りには特に注意を要する


モッタによるシート裏面の面取りのあとは
ノミできっちりさらう
第4回目6月25日(日)

臼堀チョウナはシートの座り心地を決定する



笠木へのスティックのホゾ穴あけ


テレビボードの部材もそろう
第1回目、2回目
6月10日(土)、11日(日)
第1回目
6月10日(土)
大川インテリア研究所にて入塾式
10:00~
大川商工会議所へ移動
10:30~12:10
ウィンザーチェアとゴールドスミスチェアについてレクチャー
参照:以下をクリック
大川インテリア研究所にて実習開始
13:00~17:00
ウィンザーチェア図面の見方
盤木から木取る予定であったが55ミリ厚×600ミリ正方の楠よりシート
と笠置を切り出す。
帯ノコにて木取り
アーム、アームサポートの木出し


帯鋸による形取り
第2回目
6月11日(日)
9:00~10:00
各自、鉋がけ、刃研ぎ練習
10:00~
ボール盤によるシートへの脚、スティックのホゾ穴あけ

まずシートの裏面に脚のホゾ穴をあける






次にシートの表麺にスティックのホゾ穴をあける


最後にダブテール部分にバックスティックのホゾ穴をあける

シートの裏面の縁にに沿って20ミリの位置に面取りのために線をひく

モッタで面取りをした状態
大川家具職人塾にて
ウィンザーチェア「ゴールドスミス」チェアの制作指導始まる!
本年度大川家具職人塾の開校が事情で遅れておりましたが、6月10日、11日第二土日開校となっています。「ゴールドスミスチェア」が大手家具メーカーの新製品として登場する時代、昨年の約束とおり、大川にこそ職人技の伝統を根付かせるべきという当職人塾の趣旨に従い、以前からウィンザーチェアを作ってみたいという塾生の希望にもこたえるべく「ゴールドスミスチェア」をイギリスの伝統的製作法を学びつつ、イギリスのアルチザンの指導のもとで実際に体験したように指導する私も一緒に作るという方法を取ることにしました。こうご期待!
2017年5月20日
某企業のゴールドスミス ウィンザーチェアのこと
先日(5月14日)、機会あって福岡市天神の家具のデパート[ViVi」で当研究所のメインページにあるゴールドスミスウィンザーチェアを名のるものを飛騨の家具メーカーの出店先で見かけた。昨年から話題になっていたが、今回初めて実物に出くわすこととなった。イギリス現地に赴いて実測の結果出来上がったというだけあって、私の見るかぎりではあるが、形態はイギリス本場のウィンザーチェアメーカーのゴールドスミスチェアよりも現物に近いものとなっていた。機械ではできないところなどにきちっとした加工を加え工業生産品としてさすがにウィンザーチェアの生産として知られていた企業らしく美しく仕上げられていた。しかし材料(ウォルナット)などやはり英国ウィンザーチェアの原則とはかけはなれたものであり、ゴールドスミスチェアの当時の職人によってつくられた人間味豊かな表情とでも言うものは手仕事、手加工でもってしても表現するのは難しい、いわんや機械では?というのが今回の完成品を見させていただいた感想であった。今回当研究所HPにあるゴールドスミスチェアのディテ-ルを大きく拡大で見れるようにしましたので以下をご覧になっていただきたい。
参照:HPゴールドスミスウィンザーチェア
9月10日12回目にアームの仮組の最中、予期していたことではあったが、ふとしたことでアームの接合部分が折れてしまう失敗があった。充分に注意をしておれば大丈夫なはずだったが、もともとゴールドスミスチェアのアームは3個の部品をラップジョイント「相欠き継」という接合法でできているために構造上そう強くはない。木目を選んで組めば問題はないが、製品として耐えうるには多少問題が残る。そのためスティワート・リンフォード社のゴールドスミスチェアのアームとアームサポートは分厚く作られている。そのことが実際のゴールドスミスチェアと形態が異なるところでもある。その点飛騨のゴールドスミスチェアはフィンガージョイントという工学的技法を使い、より現物に近い形態を保っている。工業製品である以上、強度試験等クリアーしていると思われるが、老婆心ながら気になるところだ。歴史的にはそれを補強するためにカラーを加えるやり方が一般的になりキャプテンクックチェアが生まれ、その発展系としてスモーカーズボウが誕生したと考えられる。FDY工房でゴールドスミスチェアの製品化を躊躇した理由のひとつがこのアームの弱点であった。そのためにカラーをつけて製品化したのがFDYのキャプテンチェアである。
2017年9月14日追記
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