FDY工房のウィンザーチェアの値段が高くないもう一つの理由

ウィンザーチェアのシートの厚みは5センチ近くあります。それを6センチ厚みの盤木から加工するのですが、10ミリ以上を電気カンナで削って行くのは大変な作業になるということを以前に紹介しました。それを今日、また6枚ほど削る仕事をしました。鉋屑は廃棄用特大のビニール袋に2杯になりました。例のごとくつい撮影するのを忘れてしまいましたので、以下以前の写真を利用させていただきます。

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現在企業ではワイドサンダーという機械があって、厚さ1センチぐらいは一気に削ってしまうことができるのです。それに比べてこんなあほらしいことをする個人工房の卑猥を味わっています。しかし昔はもっと大変でした。手鉋で荒仕上、中仕上で仕上げていたのです。その以前はチョウナではつり、鉋で仕上げていたようです。思い起こせばイギリスのスティワート・リンフォード社でさえ、1996年当時すでにワイドサンダーを使っていました。それはこの作業がどれほど大変な仕事であるかといことの証しでもあります。当時、日本ではまだあまりお目にかかれない機械でした。その少し前になりますが、東京ビッグサイトで工房作家が集まるイベントに参加したことがありました。その中の一人に大きなカウンターを展示している作家がおりました。70センチぐらいの幅で3メートルほどの長さのカウンターを売りにしておりました。それが売れると言って、ほくほく顔をしておりました。さぞかし大変な仕事をしてあることだろうと思い、どうやって削るのか訪ねてみますと、簡単に削れる機械を所持していることを自慢げに話してくれましたが、そのころはワイドベルトサンダーなんて見たこともないころで、今思い起こすとそれで工房作家を名乗っておれた時代だったのでしょう。今ではいろんなワイドサンダーが普及するようになり、簡単に削れる機械のおかげで分厚く1メートル近い巾のカウンターがウン百万、何千万で売れているそうです。どうりでけっこうな巾と長さのカウンターが何枚も売られているのを目にすることが多くなったことがうなずけます。ウィンザーチェアのシートが4,5脚分取れる盤木が何百万の値段で売れるのでしたら、ウィンザーチェア1脚50万円にしたとしても2百万円ですから、カウンターにした方がはるかに効率的なはずです。ウィンザーチェアがいかに安いかがわかっていただけましたら幸甚に存じます。
将来FDY工房の運営が安定して拡張するようなことがあるとするならば、まず最初に機械化されるのはこの工程ではないでしょうか?しかしハンドメードのウィンザーチェアの魅力が失われて行くのは目に見えています。その二の舞を踏まないためにもいつまでもこの作業は残しておきたいものです。私共の体力が続くかぎり、そこで今年からシートの焼き印に年代を加えることにしました。
このあと、まだ以下のような手鉋で仕上げる仕事がありますことを付け加えさせていただきます。

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こうへいのひとりごと 2015.10.23

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