ウィンザーチェア物語  完

イメージ 15
   ウィンザーチェア勢ぞろい  
      
カブリオール脚とウィンザーチェアの関係について
ウィンザーチェアとはなにか?その実態を明らかにしようとして18世紀、19世紀のウィンザーチェアと呼ばれた椅子を選んで試作制作を重ねてきた結果、16種16脚(ウィンザースツールを含む)のウィンザーチェアを再現したことになる。もちろんウィンザーチェアと称する椅子は何千種とあるにちがいない、厳選された参考資料の中からこれぞウィンザーチェアというものを個人的に判断して抽出した16種であるので、中には異論をとなえる人もいるかもしれない。そこでウィンザーチェアのおお方全容が明らかになったが、その結論としてその変遷をチャート化してみることで今までに不明であったり、疑問に思っていたものが明らかになってきた。その一つがウィンザーチェアとカブリオール脚の関係であった。当初カブリオール脚とウィンザーチェアとの間に接点があるとは考えていなかったが、カブリオール脚がウィンザーチェアに取り入れられた理由そのものが安物(18の世紀当時の)という風評に対するものであっただろうという答えになるし、そのことがウィンザーチェアの特徴でもあるシートの形に大きな役割をしていたことも明らかになった。カブリオール脚が取り付けられたシートの形がのちのウィンザーチェアの形態に大きな影響を与えていたことが明らかになったのである。(それがアメリカンウィンザーとの決定的な違いになったのではないか?)
 
イメージ 13
イメージ 14指物師がつくるカブリオール脚ををそのまま取り付けた場合、左の図のように内側にバンジーレッグ(ワニ脚、がにマタ)といわれるような形になってしまう。特に脚物の場合は内側に傾いてしまうと構造上の問題が生じてしまうためにウィンザーチェアの外側にころぶ脚にする工夫がなされたはずである。そこで考え付いたのがダボ構造による解決方法であったのではないかという推論が成り立つのである。

 参照:
ウィンザーチェア物語 カブリオール脚 コムバック・アームチェア
ウィンザースツールの作り方 7 カブリオール脚の作り方
ウィンザースツールの作り方 8 カブリオール脚の作り方
 
ウィンザーチェアの形態変遷について 
 
イメージ 1イメージ 2イメージ 4イメージ 5 イメージ 7 
 
 
イメージ 8イメージ 3イメージ 6
初期のガーデンチェアとして使用されていた椅子のシートは台形か円形であったということであるので、この年代別変遷のチャートから見えてくるものはその台形のシートにカブリオール脚が取り付けられていたものが最初のコムバックアームで、その後ゴールドスミス型が現われ、それにカブリオールを取り付けたタイプが現れる。それがキャプテン・クックチェアへと進化したと考えられるのである。キャプテン・クックチェアのシートに受け継がれたカブリオール脚を取り付けた跡が後のシートの形へ受け継がれ、5番目のカブリオール脚のチッペンデールスプラット付きのコムバックアームチェアへと進化していったと考えられる。そのアームボウの曲げの応用でボウが上部にかぶさったものがボウバック・アームチェアとなり、同時に下部にクリノリン・ストレッチャーが取り付けられるようになる。19世紀に入ってカブリオール脚の流行が去り、量産できる4本脚に戻ることでイングリッシュ・ウィンザーチェアの姿が確立していったと考えられる。
 ※ この時点ではまだジョン・ピットとリチャード・ヘウェットの椅子は’ゴールドスミス’チェアより以前のものであることに同意していたが、ピットとヘウェットの椅子に取り付けられたカブリオール脚が当時のチッペンデール型脚の影響であることで間違いはないが、ゴールドスミス型にそのカブリオールがが取り付けられたということから’ゴールドスミス’チェアの年代が後になったと推察できる。だがしかし’ゴールドスミス’型はその以前に存在していたと考えるのが自然ではないのか?
2017.05.22

ウィンザーチェアが語るもの
イメージ 16
ゴールドスミス ウィンザーチェア
 
イメージ 9イメージ 10イメージ 11イメージ 12
 文献によるかぎりゴールドスミスチェアは1750年から60年頃のものと考えられている。しかしそれは劇作家であったゴールドスミス(1728-74)が生存していた時代から推測したと思われる。だがしかし1708年のフィラデルフィアのウィンザーがゴールドスミスチェアではなかったか?という仮説を立ててみるとゴールドスミスチェアが年代順でみれば一番に来なければならないことになる。ゴールドスミスチェアが量産による生産のために考えられた最初の椅子であり、当時それが長い間ウィンザー地方から来る安っぽい椅子として定着していたのではないか?そのイメージを払しょくするためにカブリオール脚が考えられたのではないかという推論が成り立つのである。
※これはあくまでも私の個人的見解をはみでるものだはありません。
 
イメージ 17
参照:
英国ウィンザーチェアの鉛筆画資料による解説 13
 
英国ウィンザーチェアの鉛筆画資料による解説 14
 
FDY家具デザイン研究所ホームページ
 

この記事へのコメント