ウィンザーチェア物語  ボウバック・アームチェア(チッペンデール・スプラット)

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ボウバック・アームチェア
(チッペンデール・スプラット)
 
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制作年:2013年
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チッペンデール・スプラットについて
 スプラットは確実にハンドメイドであった。形を描き鋸で切り突き通すという、それは複雑で繊細さを発揮するものであった。18世紀にはスプラットは一枚板でシートからバックボウまで伸びてシートに取り付け、それからバックボウの下部に取り付けられていた。アームボウを通る部分は、はめ込み式になっており、その表面はフラットにされた。スプラットを受けるためにバックボウには切り込みが入られてスプラットの両サイドから二本の釘で保持されていた。
19世紀にはバックスプラットは2つに分断して作られていた。バックボウと組み立てる際に、18世紀の椅子に登場したのと同じようにアームボウの強さを壊さない方法でシングルスプラットのイメージを持たせた。この二つの部品は鋸で切り落としてシートとアームボウとバックボウに施された溝にお互いの先端が収まるサネ継ぎにされてデザインどおりに差し込まれた。アームボウは二つのスプラットのサネを取り付けるために垂直にとおすように溝がつけられた。このやり方法は19世紀のすべてのボウバックアームチェアの構造に使用された。
 
スプラットの加工について
スプラットは加工よりもその形態を把握するのが大変であった。スケッチで描いてそれを図面化するのだが、スケッチの段階でモチーフの割合をつかむのに何枚ものスケッチを重ねなければならない。それを実際に制作するのだが、まず1/5模型を作り検討する。そのフィードバックで模型は4脚は作ったことになり、スプラットの模型はその数以上になった。
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最終的にスプラットの加工に入ったが、原寸のスプラットは
糸鋸による加工になるが、せっかく作ってみてもどうしても実際のものと違うことに気づき、また最初から作り直すといった
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ふうに大変な作業であった。
 
私見
カブリオール脚(猫脚)のウィンザーチェアの制作が後回しになったことは前にふれましたが、ウィンザーチェアつまり初期のスティックバック・アームチェア(ゴールドスミスチェア)との関係が不明のままでした。しかし制作してみることでその関係がわかってきたのでした。最初に手掛けたカブリオールのウィンザーはジョン・ピットの時代(1750年頃)のウィンザーでした。それはウィンザーチェアの仲間になる以前の椅子でした。それがゴールドスミス型と合体する中で生まれたのが先のファンバックアームチェアではなかったのか?ようするにゴールドスミスチェアにカブリオール脚を取り入れることによって生まれたシートの形がキャプテン・クックチェアではなかったのか?キャプテンクックチェアのシートにカブリオール脚をくっつけて、上部にファンバックのアームと背を加えた形が、先のファンバック・アームチェアになり、その背がボウに代わることで誕生したのがこのボウバックになるというセオリーがなりたつのです
 
 )FDY家具デザイン研究所ホームページ
 
 

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