ウィンザーチェアは高度な技術を持った職人集団によって作られたものなのです。

本当のウィンザーチェアは高度な技術を持った職人(アルチザン)によってしか作られないものなのです。
工業生産メーカーの職人と言われる人達と、ここでいう本当の職人は違いますので、間違わないでいただきたいものです。ウィンザーチェアの特徴は分業による生産にあります。その分業システムが工業生産に発展していったのですが、その分業システムと混同されることでこういった問題が生じるのかもしれません。機械が未発達の時代の分業はそれぞれの専門の職人の技量が必要でした。しかし機械が高度になるにつれて、職人の技量は必要なくなり、機械にまかせれば良いものとなって行きました。最初は過酷な労働を助けるものとして歓迎された機械も、やがて職人に代わり、職人が必要でなくなっていったのです。
昔の熟練したボッジャー(旋盤工)は一日に10ダースから20ダースのセット(脚、貫、スティック(背棒)を仕上げることができたということですので、どれほどの技術を持っていたか想像できないくらいの量をこなしていました。当時のウィンザーチェアはそれぞれの高度な技術を持った職人によって支えられていました。現在の整備された大工場では、道具を使うことはほとんどなく機械がその役割をはたしており、人は何人かの交代制で成り立つシステムによって支えられるものになっています。そのかわり、大量に安価な生産が可能になっていきました。一方で高度な技術を持った職人が居なくなったかわりに、高度なハイテク機械が導入され、デザイナーブランドの高価な家具が作られるようになっていったのです。現代のシステムの中で作られるウィンザーチェアの加工と昔の分業によって作られるウィンザーチェアの加工の違いはそこから派生してくるものなのです。
 1950年に亡くなったウィンザーチェアメーカーのグッドチャイルドは一人で全てをこなした最後の伝説の職人と言われました。
以上、大量に作られるものが安価になり、高度なハイテクを使って作られた家具が高価になる理屈がおわかりになったでしょうか!
これらと歴史ある本当のウィンザーチェアの値段は全く違ってくるということにもご理解いただけたでしょうか?
 
昔の熟練したボッジャー(旋盤工)は一日に10ダースから20ダースのセット(脚、貫、スティック(背棒)を仕上げることができたということです。どうすればそれだけのことができるのか?私にとって長いこと不思議なことでもありました。彼らは1本のバイト(ターニングチズル)を使ってなんなく削っていたというのです。つい数年前になりますが、それを実際に1/5模型で実験してみたのです。オッカナビックリ、何度も失敗をくり返しながらやってみましたところ模型の部品が簡単にできるようになったのです。それをスピンドルの実際の寸法に応用してみるとできないことはないという結論を得ました。(このブログ5ページに「スピンドルの加工は平バイト1本でOK」に掲載しております。)脚を削るためにはターニング・チズル(平バイトの倍の幅が必要)という特殊なバイトが必要になります。現在そのための刃物を探しておりますが、自分で火づくり鍛冶をして作ってみるしかないかもしれません。これもこうご期待!といいたいところです。
2014.10.01 追記
 
※2016年10月
 新潟県燕市の刃物屋「平出」にターニングチゼル大、小2本を特注しました。
※2017年7月
 

この記事へのコメント