ウィンザースツールの作り方 1.  はじめに

ウィンザースツールの作り方   はじめに 
 
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スティワート・リンフォード社
ウィンザースツール
はじめに
ウィンザーチェアの作り方はきわめてシンプルです。
脚や貫、アームやアームサポート、スピンドルなどの部品を加工したあと、分厚いシートの上部にはアームサポートやスピンドル、下部には脚のホゾ穴(ソケット)を開けて、それらを差し込んで組み立てて仕上げるだけです。18,19世紀の頃は、それぞれ部品を加工するベテラン職人(その職人集団の呼び名がついていました)がいて、それらを持ち寄って工場で組立ていました。しかし20世紀になるとそういうベテランがいなくなるとともにグッド・チャイルドのように一人で何役かをこなして組み立てるクラフトマンも現れました。私もグッド・チャイルドのようにウィンザーチェアが作れたら良いなと思っておりました。学生の頃、木工を志して以来、鉋やノコやノミなどのほか木工旋盤に木工ろくろなど、木工に関する技術的なことは一応マスターしておりましたので、ウィンザーチェアの研究をはじめたころから全て一人でこなしてきました。それぞれのベテランが会得したことを全て一人でこなせるようになるにはそれ相応の時間が必要でもあります。そうこうしているうちに彼と同じ齢を重ねてしまい齢70を過ぎてしまいました。なかでも曲げとシートの掘りは初めてのことで苦労をしました。シートをお尻形に抉る方法は以前に作品に取り入れたことがありました。ミズメや椛の堅い木を彫刻ノミで削っておりました。
 
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写真は1978年頃京都国際クラフト展に発表した作品の制作風景
ホームページ 山永耕平作品Vol1.参照
 
 
 
イメージ 7イメージ 8  おかげでその経験が役に立ったのでした。最近4,5年前に臼堀チョウナとモッタという舟大工が使用していた手チョウナ(手斧)を手にいれてシート抉りに使用していますが、最初は手の平いっぱいの血豆ができたり、右肩脱臼に近い状態になったり、大変でした。でも今では1、2時間でシート一枚分は軽く抉れるほどになりましたし何時間続けてもなんともありません。自分でも驚いております。若い頃に職人の世界を垣間見た経験がある私ですが、さすがにそこまでの経験をつむことになるとは?この齢になって昔の職人の過酷な仕事を体験できたよろこびをかみ締めています。そんな悠長なことができるのは私ぐらいかもしれませんね。今の時代の人には無理かもしれませんが、逆に今からの時代、遠く忘れ去ってしまった先人達の貴重な体験を取り戻すことが必要な時代が来るかもしれません。早い内に決意すれば20年、30年かかることでもいつかは到達できるはずです。いつから?「今でしょう!修練を重ねればかならず到達できるのです。すでに遅すぎるのではなくいつでもチャンスがあるということでもあります。ここまでやってしまえば辞めるのがもったいなくなるところまで、先ずは1年間でもみっちりやってみること、空手や柔道と同じ、1年みっちりやれば初段ぐらいにはなれます。木工も同じ、(しかし残念なことに現代、そういう経験のできる場所がなくなってしまいました。もちろん職人もいなくなってしまいました。)ウィンザーチェアの作り方はすでに九州産業大学美術館出版の「歴史にすわる」や最近出版されました誠文堂新光社の「ウィンザーチェア大全」に発表しておりますが、ここではもっとも基本的な形態のウィンザースツールの作り方を通して木工の妙味をお伝えできたらと考えております。ネットではウィンザーチェアの作り方のページを以前に作っておりましたので参照して下さい。
イントロが長くなりすぎますので今回のところはこれくらいで・・・・・・
 

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